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国際シンポジウムQuantum Innovation 2025 が開催されました。

2025年12月

2025年7月29日〜8月2日に、量子科学・技術・イノベーション国際シンポジウム「Quantum Innovation 2025」が、大阪・関西万博にあわせて、コングレスクエア グラングリーン大阪で開催されました。2025年は量子力学のはじまりから100年にあたり、ユネスコが定める「国際量子科学技術年(International Year of Quantum Science and Technology:IYQ)」でもあります。開催初日の7月29日は、ハイゼンベルクが量子力学の礎を築いた論文を投稿した日として、特別な意味をもつ日でもありました。Quantum Innovation 2025はこのIYQのグローバルイベントの一つとしても採択され、量子科学技術における最新の進展と将来展望について議論する貴重な場となりました。

Quantum Innovation 2025は、量子技術イノベーション拠点(QIH:https://qih.riken.jp/)の研究機関および大学の共催により開催され、日本政府、科学技術振興機構(JST)、ならびにスポンサーの支援を受けました。Quantum Innovation は、2021年から毎年、東京で3日間のシンポジウムとして開催され(2021年と2022年はオンライン形式で開催)、今回が5回目でした。シンポジウムの目的は、最先端の量子技術の発信と量子技術に関する研究・応用・教育・社会意識に関する協力の促進です。トピックは、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信など、量子技術の幅広い側面をカバーし、分野における最新の優れた成果に加えて、将来の動向やニーズにも焦点を当てています。また、量子技術の実用化の推進、人材育成、国際連携の推進にも大きな役割を果たしています。

Quantum Innovation 2025では、従来の3日間のプログラム構成に加え、誤り耐性型汎用量子コンピュータの実現を目指すMoonshot Session、未来の量子社会の構築に向けたSIP Sessionを新たに追加し、計5日間の開催となりました。国内外から約1,000人が参加し、Quantum Innovation 2025は国内最大級の量子分野の国際イベントとなりました。 Global Organizing Committee Chairは、Artur Ekert氏、Michelle Simmons氏、Isaac Chuang氏、中村泰信氏、北川勝浩氏の計5名で構成されました。また、Organizing Committeeは、General Chair北川勝浩氏、Track Chair藤井啓祐氏、根来誠氏、加藤豪氏、Vice Track Chair François Le Gall氏、酒井忠司氏、山本俊氏、Poster Session Committee Chair 山下茂氏、Local Organizing Committee Chair 山本俊氏 からなる計39名が担当し、プログラム全体を設計しました。

今回は企業27社、3機関の皆様にスポンサー協賛をいただきました。誠にありがとうございました。

7月29日のオープニングでは、General Chairである北川勝浩氏の開会の挨拶、内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 統括官の福永哲郎氏のWelcome messageに続き、理化学研究所理事の川﨑雅司氏が座長を務めるOpening sessionが行われました。本セッションでは、量子技術推進議員連盟会長の林芳正氏、量子産業創出プロジェクトチーム座長の木原誠二氏より、ビデオメッセージをいただきました。さらにGlobal Quantum Ecosystem sessionでは、Q-STAR代表理事で東芝CEOの島田太郎氏など4名のパネラーが登壇し、持続可能な量子エコシステムの構築に関して議論が交わされました。

Quantum Innovation 2025の初の試みとして、これまで2日目から実施していたAcademic sessionを、初日の午後から実施することで初日から多くの研究者が参加しました。さらに初日・2日目の2日間にわたってPoster sessionを開催し、244件の発表が行われました。レセプションやスポンサー展示との同時開催も相まって、研究者や学生と企業関係者、さらには大使館関係者などとの活発な議論が繰り広げられました。ポスター賞は、19名の学生・若手研究者が受賞しました。スポンサー展示は、研究者と企業の皆様が直接交流できる貴重な機会となり、大変有意義なものとなりました。

3日目に行われたIYQ Keynotesでは、Global Organizing Committee Chairを含む世界トップレベルの研究者6名にご講演いただきました。事後アンケートでも、会期中に印象に残った講演として多く挙げられました。その日の夜には、参加者間の交流を目的とし、歴史的建造物である迎賓館のザ ガーデンオリエンタル大阪にてバンケットを開催いたしました。大阪観光局MICEの助成により行われたマグロの解体ショーは、多くの参加者の記憶に残るイベントとなりました。

後半の2日間は、Moonshot sessionとSIP sessionを実施し、人材交流も含めて盛況のうちに閉幕しました。




夏の暑い大阪で開催した最も熱い5日間でした。

皆様、またQuantum Innovation 2026でお会いしましょう。