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Quantum Innovation 2023を開催しました。

2023年12月

2023年11月15-17日に、量子科学・技術・イノベーション国際シンポジウム(Quantum Innovation 2023)が東京中央区京橋の東京コンベンションホールで初めて対面形式で開催されました。Quantum Innovation 2023では、量子技術に関連する画期的なアイデアを発表、交換するために、多岐にわたる分野の科学者とエンジニアが一堂に会しました。会議のトピックは、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信など、量子技術の幅広い側面をカバーし、量子技術の分野における最新の優れた成果や将来の動向とニーズに焦点を当てました。
科学者、技術者、学者、若手研究者、ビジネス代表者、学生など、国内外から500人以上が参加しました。
波多野睦子(組織委員会委員長)、村尾美緒、横谷明徳、武岡正裕(トラック委員長)、山下茂、酒井 忠司、加藤 豪(トラック副委員長)の各氏らからなる30人の組織委員会は、Quantum Innovation 2023のプログラムを慎重に設計しました。量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号学、および量子通信の最新の発展を完全に網羅するようにし、世界中から優れたプレゼンターを指名して、量子技術に取り組む研究者たちの間での協力と議論のためのプラットフォームを提供することを目指しました。

シンポジウムの目的

-最先端の量子技術を発信する
-量子技術に関する研究、応用、教育、社会意識に関する協力を促進する

シンポジウムのスコープ

量子技術の発展のハイライト
- 量子コンピューティング
- 量子センシング
- 量子暗号と量子通信

量子技術の発展のためのインフラの開発
- 量子技術の実用化の推進
- 量子技術の人材育成
- 国際連携の推進

波多野睦子

Quantum Innovation 2023
組織委員会委員長

松尾泰樹

内閣府科学技術・イノベーション推進事務局長

林芳正

衆議院議員
量子技術推進議員連盟

Quantum Innovation 2023は、内閣府、総務省(MIC)、文部科学省(MEXT)、経済産業省(METI)の4府省と理化学研究所、科学技術振興機構(JST)、量子科学技術研究開発機構(QST)、産業技術総合研究所(AIST)、情報通信研究機構(NICT)、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、大阪大学、東京大学、東北大学、東京工業大学、一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)が主催しました。また、物質・科学研究機構 (NIMS)が後援しました。
11月15日に開催されたオープニングとプレナリーセッションでは、Quantum Innovation 2023組織委員会委員長の波多野睦子氏の歓迎の挨拶から始まり、内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局事務局長の松尾泰樹氏が、日本政府が量子技術を進展させるための計画と努力の重要性を強調しました。また、衆議院議員、量子技術推進議員連盟の林芳正氏は、量子技術の促進に対する立法者の強力な支援を表明する祝辞を述べました。キーノートスピーチでは、理研量子コンピュータ研究センターの所長である中村泰信氏が超伝導量子コンピューティングの課題について、米国国立標準技術研究所の物理計測研究所のBarbara Goldstein氏がセンサーと標準を通じた量子経済の進展に焦点を当てました。
プレナリートークでは、日本、米国、EUの量子科学技術に関する政府の方針が取り上げられました。川上大輔氏は日本の量子未来産業開発戦略を発表し、Tanner Crowder氏は米国のNational Quantum Initiativeの概要を提供し、Peter Fatelnig氏は欧州連合内での量子技術に関して説明しました。また、シンポジウムでは、日本、オーストラリア、米国、英国の機関が活動の報告を行い、量子技術の実装に関する意見を共有する中で、産業における量子イノベーション戦略も取り上げられました。量子技術の社会的実装と量子科学技術の人材育成に焦点を当てたパネルも開催され、初日はレセプションで締めくくられました。
11月16日と17日には、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子コミュニケーションの3つのトラックで議論がなされました。各トラックは個々の量子技術に焦点を当て関連する課題の理解を深めることを目的として実施されました。16日と17日の一部の量子センシングトラックのセッションは、第6回IFQMS(量子計測とセンシングに関する第6回国際フォーラム)との共同プログラムでした。11月16日には若手研究者による130以上のポスターのセッションが行われ、専門家の参加者との活発な議論が繰り広げられました。15名が若手研究者ポスター発表賞を受賞しました。
QI2023の成功を受けて、主催者はQuantum Innovation 2024の開催を決定しました。名古屋大学、量子科学技術研究開発機構(QST)の馬場嘉信氏が座長を務める組織委員会は、まもなくその活動を開始します。来年またQuantum Innovation 2024でお会いしましょう。

(文中敬称略)