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Quantum Innovation 2022を開催しました。

2022年12月

2022年11月28-30日に、量子科学技術イノベーションに関する国際シンポジウム Quantum Innovation 2022 がオンラインで開催されました。
Quantum Innovation 2022には多様な分野の研究者と技術者が集まり、量子技術に関連する画期的なアイデアを提示、交換しました。会議のトピックは、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信を含む量子技術の幅広い分野をカバーし、量子技術の領域における最新の優れた成果、将来動向とニーズに焦点を当てました。
Quantum Innovation 2022には、科学者、技術者、若手研究者、学生、企業人など、海外からの200人以上を含む1000人以上が参加しました。

27名よりなる組織委員会(委員長 伊藤公平 慶応義塾長)は、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信の最新の動向を網羅するプログラムを企画し、講演者には世界の著名な研究者、技術者を迎えました。

シンポジウムの目的

-最先端の量子技術への取り組み
-量子技術に関する研究、応用、教育、社会意識に関する協力を模索する



Quantum Innovation 2022は、量子技術に取り組んでいる研究者を結集し議論するプラットフォームを提供することを目指しました。海外および日本から著名な講演者を招き、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信の最新の開発を取り上げました。また、興味深い斬新な講演を行い、若い研究者、将来の量子人材の候補者、そして意識関心の高い市民に、急速に進化する量子技術の概要を説明することを目指しました。

シンポジウムのスコープ(範囲)

量子技術の発展のハイライト
- 量子コンピューティング
- 量子センシング
- 量子暗号と量子通信

量子技術の発展のためのインフラの開発
- 量子技術の実用化の推進
- 量子技術の人材育成
- 国際連携の推進

中野英幸

内閣府大臣政務官

大野啓太郎

量子技術推進議員連盟
事務局長

伊藤公平

Quantum Innovation 2022
組織委員会委員長

Quantum Innovation 2022は、内閣府、総務省、経済産業省、文部科学省、理化学研究所、科学技術振興機構、量子科学技術研究開発機構、産業技術総合研究所、情報通信研究機構、沖縄科学技術大学院大学、大阪大学、東京大学、東北大学、東京工業大学、一般社団法人量子技術による新産業創出協議会の主催、物質・科学研究機構の後援により開催されました。
11月28日午前、都心のホテルニューオータニで本会議の開会と全体会議が行われ、会議の模様はオンラインで配信されました。中野英幸 内閣府大臣政務官が、量子技術の開発の重要性と日本政府の計画について説明しました。大野啓太郎 衆議院議員 量子技術推進連盟事務局長は、祝辞で量子技術推進への政策立案者の強い支持を表明しました。伊藤公平Quantum Innovation 2022組織委員会委員長が歓迎のあいさつをしました。
全体会議では、量子技術イノベーション戦略の戦略見直し検討ワーキンググループの伊藤公平議長が、量子未来社会ビジョンについて発表しました。 米国科学技術政策局国家量子調整室 (OSTP/NQCO) のグレッチェン・キャンベル副室長は、米国国家量子イニシアチブの現在の進捗状況を発表しました。
欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局(DG CONNECT)のグスタフ・カルブ局長代理は、欧州の量子技術政策を発表しました。米国量子経済開発コンソーシアム (QED-C) のセリア・メルツバッハー事務局長は、量子産業の実現と成長について説明しました。欧州量子産業コンソーシアム(QuIC)のティエリー・ボッター事務局長は、ヨーロッパの量子産業の強化について発表しました。日本の量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)島田太郎代表理事は、Q-STARの活動状況を紹介しました。一般社団法人量子ICTフォーラム代表理事の北海道大学富田章久教授は、量子イノベーションについて発表しました。 内閣府ムーンショット型研究開発制度目標6「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現」のプログラムディレクターである北川勝浩大阪大学教授は、ムーンショット目標6の活動を紹介しました。
28日午後には、量子コンピュータとスーパーコンピュータの接続、ダイヤモンド量子センサー、光量子コンピュータ、量子ネットワーク技術など、広い分野の7つの基調講演が行われました。
11月29日、30日は、量子コンピューティングトラック、量子センシングトラック、量子暗号・量子通信トラックの3つのトラックを開催し、著名な講演者が個別の量子技術に焦点を当て、挑戦すべき問題への理解を深めました。パネルディスカッションと若手研究者セッションも開催されました。 29日の量子センシングトラックのセッションは、第5回IFQMS(量子計測とセンシングに関する第5回国際フォーラム)との共同プログラムでした。

(文中敬称略)