Quantum Innovation 2021を開催しました。
2021年12月
量子科学・技術・イノベーション国際シンポジウム(Quantum Innovation 2021)が2021年12月7-9日にオンラインで開催され、多彩な分野の科学者と技術者が参加し、量子技術に関連する画期的なアイデアを提示、交換しました。シンポジウムのトピックは、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信を含む幅広い量子技術に亘り、量子技術の分野における最新の優れた成果と将来の研究開発動向に焦点が当てられました。
Quantum Innovation 2021には、科学者、技術者、若手研究者、学生、産業界、行政官など、海外からの400人以上を含む1,000人以上が参加しました。
シンポジウムの目的とスコープ(範囲)は以下のとおりです。
シンポジウムの目的
-最先端の量子技術を発信する
-量子技術に関する研究、応用、教育、社会意識に関する協力を促進する
シンポジウムのスコープ(範囲)
量子技術の発展のハイライト
- 量子コンピューティング
- 量子センシング
- 量子暗号と量子通信
量子技術の発展のためのインフラの開発
- 量子技術の実用化の推進
- 量子技術の人材育成
- 国際連携の推進
中村泰信
Quantum Innovation 2021
組織委員会委員長
小林鷹之
科学技術政策担当大臣
田中英之
文部科学副大臣
大野啓太郎
量子技術推進議員連盟事務局長
中村泰信 (ジェネラル・チェア)、北川勝浩、横谷明徳、佐々木雅英 (各トラック・チェア)の下、20名よりなるシンポジウム組織委員会が、量子技術に取り組んでいる研究者が集まり議論するためのプラットフォームを提供することを目的に、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信の最新の動向を網羅すべくプログラムを組み、講演者に世界の著名な研究者、技術者を迎えました。
Quantum Innovation 2021は、内閣府、文部科学省、理化学研究所、科学技術振興機構(JST)、量子科学技術研究開発機構(QST)、産業技術総合研究所(AIST)、情報通信研究機構 (NICT)、大阪大学、東京工業大学の主催により実施されました。また総務省、経済産業省、物質・科学研究機構 (NIMS)、東京大学が後援しました。
12月7日午前、都心の赤坂インターシティコンファレンスで本会議の開会と全体会議が行われ、その模様はオンラインで配信されました。中村泰信 Quantum Innovation 2021組織委員会委員長の開会挨拶の後、小林鷹之 科学技術政策担当大臣、田中英之 文部科学副大臣が、量子技術は既存技術の限界を突破し、産業・社会に革新をもたらす技術であるとの日本政府の基本認識と量子技術イノベーションを進めるための内閣府、文部科学省の研究開発計画を紹介しました。大野啓太郎 量子技術推進議員連盟事務局長は、祝辞で量子技術推進への国会議員の強い支持を表明しました。
全体会議では、チャールズ・タハン 米国科学技術政策局(OSTP)量子情報技術アシスタントディレクター・国家量子科学調整室(NQCO)室長が米国国家量子イニシアチブの進捗状況を説明しました。五神真 東京大学教授、内閣府量子技術イノベーション会議座長が、量子技術の革新による新しい社会「Society 5.0」の実現について発表しました。島田太郎 東芝株式会社執行役上席常務が量子ビジネスを創造するコンソーシアムQ-STARを紹介し、伊藤公平 慶應義塾大学学長は、日本における量子コンピュータイノベーションについて発表しました。
7日午後には、量子通信、量子コンピューティングの量子誤り補正、光格子時計、スピンの量子技術、量子インターネットなど幅広い分野の5つの基調講演が行われました。
12月8日、9日は、量子コンピューティングトラック、量子センシングトラック、量子暗号・通信トラックの3つのトラックを開催し、著名な講演者が個別の量子技術に焦点を当て、挑戦すべき問題への共通認識を深めました。 パネルディスカッションと若手研究者セッションも開催されました。 8日の量子センシングトラックのセッションは、第4回IFQMS(量子計測とセンシングに関する第4回国際フォーラム)との共同プログラムでした。 量子暗号・通信トラックの8日のセッションCC-04と9日のセッションCC-05、CC-06は、総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)による支援を受けて開催されました。
(文中敬称略)