国際シンポジウムQuantum Innovation 2024 が開催されました。
2024年10月
2024年10月21-23日に、量子科学・技術・イノベーション国際シンポジウム(Quantum Innovation 2024)が東京都中央区神田駿河台のお茶の水ソラシティカンファレンスセンターで開催されました。Quantum Innovation 2024では、量子技術に関連する画期的なアイデアを発表、交換するために、多岐にわたる分野の科学者とエンジニアが一堂に会しました。会議のトピックは、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子通信など、量子技術の幅広い側面をカバーし、量子技術の分野における最新の優れた成果や将来の動向とニーズに焦点を当てました。
科学者、技術者、学者、若手研究者、ビジネス代表者、学生など、国内外から700人以上が参加しました。
馬場 嘉信(組織委員会委員長)、山下茂、横谷明徳、加藤 豪(トラック委員長)、François Le Gall、酒井 忠司、武岡正裕(トラック副委員長)の各氏らからなる42人の組織委員会は、Quantum Innovation 2024のプログラムを慎重に設計しました。量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号学および量子通信の最新の発展を完全に網羅するようにし、世界各国の著名な専門家が招待され、量子技術に取り組む研究者たちの間での協力と議論のためのプラットフォームを提供することを目指しました。
シンポジウムの目的
-最先端の量子技術を発信する
-量子技術に関する研究、応用、教育、社会意識に関する協力を促進する
シンポジウムのスコープ
量子技術の発展のハイライト
- 量子コンピューティング
- 量子センシング
- 量子暗号と量子通信
量子技術の発展のためのインフラの開発
- 量子技術の実用化の推進
- 量子技術の人材育成
- 国際連携の推進
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馬場嘉信
Quantum Innovation 2024
組織委員会委員長
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浜野幸一
内閣府科学技術・イノベーション推進事務局長
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林芳正
衆議院議員
量子技術推進議員連盟
Quantum Innovation 2024は、内閣府、総務省(MIC)、文部科学省(MEXT)、経済産業省(METI)の4府省と理化学研究所、科学技術振興機構(JST)、物質・科学研究機構 (NIMS)、量子科学技術研究開発機構(QST)、産業技術総合研究所(AIST)、情報通信研究機構(NICT)、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、大阪大学、東京大学、東北大学、東京科学大学、東海国立大学機構、一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)が主催しました。
10月21日に開催されたオープニングでは、Quantum Innovation 2024組織委員会委員長の馬場 嘉信氏の歓迎の挨拶から始まり、内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局事務局長の浜野幸一氏が、日本政府が量子技術を進展させるための計画と努力の重要性を強調しました。また、衆議院議員、量子技術推進議員連盟の林芳正氏は、量子技術の促進に対する立法者の強力な支援を表明する祝辞を述べました。
プレナリーセッションでは、量子科学技術に関する政府政策について議論され、日本、オーストラリア、デンマーク、EU、ドイツ、オランダ、英国、米国の代表団によって各国の量子技術に関する政策が紹介されました。また、キーノートスピーチとして、QuEraのセルジオ・カントゥ氏、オックスフォード大学のブラトコ・ヴェドラル氏が講演しました。
シンポジウムでは、世界的な量子エコシステムの構築についても取り上げられ、日本、カナダ、欧州、米国、英国の産業機関が各活動を紹介し、持続可能な量子エコシステムの構築に関する意見を共有しました。また、量子技術とAI技術の融合や、産業のための技術標準化に関するパネルディスカッションも開催されました。初日は、ネットワーキングを兼ねたレセプションで締めくくられました。
10月23日と24日には、量子コンピューティング、量子センシング、量子暗号・量子コミュニケーションの3つのトラックで議論がなされました。各トラックは個々の量子技術に焦点を当て関連する課題の理解を深めることを目的として実施されました。23日と24日の一部の量子センシングトラックのセッションは、第7回IFQMS(量子計測とセンシングに関する第7回国際フォーラム)との共同プログラムでした。10月22日午前には特別セッション「将来の量子情報技術のための物質材料」が開催されました。同日午後には若手研究者による160のポスターのセッションが行われ、専門家の参加者との活発な議論が繰り広げられました。18名が若手研究者ポスター発表賞を受賞しました。
QI2024の成功を受けて、主催者はQuantum Innovation 2025の開催を決定しました。JSTムーンショット目標6プログラムディレクター、大阪大学の北川勝浩氏が委員長を務める組織委員会は、まもなくその活動を開始します。来年またQuantum Innovation 2025でお会いしましょう。
(文中敬称略)